実は知らない『心的外傷後ストレス障害』

心的外傷は、私たちが経験した過去の出来事が、現在も強く心に影響を与えている状態を指します。その一種として、特に重要な場面で言及されるのが「PTSD(心的外傷後ストレス障害)」です。

『PTSD』とは何か

PTSDは、「トラウマから時間が経っても、いつまでも過去になってくれない」という心理状態を指します。つまり、「昨日のことのように感じられる」というのがPTSDの特徴です。人間の脳は、強い感情の高まりや生命に関わる危機的な状況を「重要」と判断し、その記憶を深く刻み込む傾向があります。これは、同じような危険が再び訪れたときに備えて、経験を記憶し、反応を学習するための生存戦略です。

トラウマの症状

トラウマの症状は、脳が自分自身を守ろうとしている証拠です。しかし、その症状に苦しんでいるなら、脳に再学習してもらう必要があります。そのためには、トラウマからの回復を促すさまざまな治療法が存在します。

『PTSD』の治療法

PTSDの治療は、まず、「あの体験は過ぎ去っていて、今は状況が変わっている」という新しい記憶を脳に育むことから始まります。これは「認知療法」と呼ばれ、現在の安全な状況を再認識し、トラウマの記憶との間で新しい結びつきを作り出すことを目指します。

次に、「また同じようなことが起こったらどうするか」というクライシスプランを立てることが求められます。これは「行動療法」と呼ばれ、具体的な対処法を事前に計画することで、不安を減らし、自分自身を守る能力を強化します。

最後に、活用できる制度、相談できる人、避難できるシェルターなどのセーフティーネットを獲得することが重要です。これは「社会資源の活用」と呼ばれ、自分自身を守るための外部の支援を得ることを指します。

その他のトラウマ治療法

また、EMDR(Eye Movement Desensitization and Reprocessing)、ロゴセラピー、集団精神療法、MBSR(Mindfulness-Based Stress Reduction)、催眠療法、認知行動療法、薬物療法、作業療法など、多様な治療法があります。トラウマの症状や状況、個々のニーズに合わせて、最適な治療法を選択することが重要です。

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管理者

阿賀嶺壮志(アカミネタケシ)1983年沖縄生まれ。
教育学部卒業後に小学校教師となるが、先生同士の対人関係で悩み教員を離れる。その後大学などで学び、作業療法士、公認心理師となり沖縄県内の精神科クリニック及び小中学校のスクールカウンセラーに勤務。2019年より心理学講師(ウェルカルチャースクール/男女共同参画センターてぃるる)2021年に絵本『さばくと少年』を出版。同年コザ信金創業セミナーにてベストビジネスプランナーに選ばれる。

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