安心感は大人になってからでも育てることができる

💭 安心は、どこにあるのでしょうか

「もう少し経験を積めば、自信が持てるかもしれない」

「収入が増えれば、不安はなくなるかもしれない」

「もっと評価されれば、自分を認められるかもしれない」

このように思うことは、とても自然なことです。目標を持ち、努力を重ねることは、私たちを成長させてくれる大切な力でもあります。

ただ、安心そのものを「未来」に置いてしまうと、少し苦しくなることがあります。

目標を達成したときは嬉しくても、その安心は長く続きません。しばらくすると、「次はこれを頑張らなければ」「まだ十分ではない」という新しい目標が現れ、安心はまた少し先へと遠ざかってしまうのです。

周囲から見れば十分に努力され、実績もあり、多くの人から信頼されている。それでも、ご本人は「これでいい」と思えず、自分に厳しい言葉をかけ続けています。

その姿を見ていると、安心は何かを手に入れたときに完成するものではないのだと感じます。

安心とは、成果や評価によって与えられるものではなく、自分を少しずつ認め、自分との関わり方を育てていく中で、ゆっくりと育まれていくものなのかもしれません。

自分に向ける言葉は、思っている以上に心へ影響します

私たちは、人には優しく接することができても、自分には厳しい言葉を向けてしまうことがあります。

仕事で小さな失敗をしたとき、「こんなこともできないのか」と責める。

休みの日にゆっくり過ごしていると、「もっと有意義に時間を使うべきだった」と後悔する。

誰かから褒められても、「たまたまだ」と受け流してしまう。

こうした言葉は、一つひとつは小さなものかもしれません。

けれど、それを毎日繰り返していると、心は「まだ努力しなければ安心できない」と学び続けてしまいます。

反対に、「今日はよく頑張った」「疲れているから休もう」「失敗はあったけれど、それで自分の価値が決まるわけではない」といった言葉を少しずつ自分に向けられるようになると、安心感の土台も少しずつ育っていきます。

安心感とは、自分を厳しく評価しないことではなく、自分を一人の人として丁寧に扱うことから育まれていくものなのです。

努力は、価値を証明するためではなく、人生を豊かにするためにある

この記事を通してお伝えしたかったのは、「努力をやめましょう」ということではありません。

努力には、人を成長させる力があります。

知らなかったことを知る喜びがあり、できなかったことができるようになる充実感があります。

誰かの役に立てたという実感も得られるでしょう。

だからこそ、努力そのものを否定する必要はありません。

ただ、その努力が「自分の価値を証明するため」になってしまうと、心は休むことができなくなります。

一方で、「もっと知りたい」「誰かの役に立ちたい」「自分らしい人生を歩みたい」という思いから始まる努力は、心を追い立てるものではなく、自分を支えてくれる力になります。

同じ努力でも、その土台にあるものが安心なのか、不安なのかによって、心の負担は大きく変わってくるのです。

「もっと頑張らなければ」と思ったときに

これからも、「もっと頑張らなければ」という気持ちが湧いてくることはあるでしょう。

その気持ちを無理に消そうとする必要はありません。

ただ、そのときに一度だけ、自分へ問いかけてみてください。

「私は何のために頑張ろうとしているのだろう。」

その答えが、「安心したいから」だったとしても、自分を責める必要はありません。

それは、これまでの人生の中で身につけてきた、自分なりの生きる方法だったのかもしれないからです。

でも、その問いを持ち続けることで、「安心するための努力」から、「人生を豊かにするための努力」へと少しずつ変わっていく可能性があります。

私は、その変化こそが、本当の意味で心が回復していく過程なのではないかと考えています。

よくあるご質問(FAQ)

Q
「もっと頑張らなければ」と思うことは悪いことですか?
A

いいえ。向上心や成長したい気持ちは自然なものです。ただ、その背景に「頑張らないと価値がない」「頑張らないと安心できない」という思いがある場合は、心が疲れやすくなることがあります。

Q
安心感は大人になってからでも育てることができますか?
A

はい。安心感は幼少期の経験の影響を受けますが、それだけで決まるものではありません。自分との関わり方や安心できる人との関係を通して、大人になってからも少しずつ育てていくことができます。

Q
自分に優しくすると、努力しなくなってしまいませんか?
A

そのように心配される方は少なくありません。しかし実際には、自分を受け入れられる人ほど、失敗を過度に恐れず、新しいことへ挑戦しやすくなることがわかっています。安心感は、努力を妨げるものではなく、長く努力を続けるための土台になります。

Q
カウンセリングではどのようなサポートを受けられますか?
A

カウンセリングでは、「もっと頑張らなければ」と感じる背景を一緒に整理し、幼少期から身につけてきた考え方や、自分との向き合い方を丁寧に見直していきます。一人で抱え込まず、安心して話せる場所を持つことも、安心感を育てる大切な一歩になります。

カウンセリングをご希望の方へ

「もっと頑張らなければ」という思いが強く、休むことや自分を認めることが難しいと感じている方は、一人で抱え込まずにご相談ください。

プラスワンライフでは、トラウマや愛着、認知行動療法などの視点を大切にしながら、「なぜ安心できないのか」だけではなく、「どうすれば安心感を育てていけるのか」を一緒に考えていきます。

焦って自分を変えることを目指すのではなく、自分らしいペースで歩んでいけるよう、お手伝いしています。

管理者

阿賀嶺 壮志(あかみね たけし)
1983年、沖縄生まれ
一般社団法人プラスワンライフ代表理事:公認心理師

精神科クリニックや学校現場で、15年にわたり心理支援・カウンセリングに携わってきた信頼と実績のあるカウンセラー。
幼少期の病弱さと孤独な経験から「ありのままの自分を受け止めてくれる存在」の大切さを深く実感し心理の道を志す原点となる。
教員時代の挫折や、言葉を超えた児童との心のつながりを通して、トラウマ支援への使命感を強めていった。

管理者をフォローする
ブログ一覧
シェアする