必見!アドラーが伝えたかった他者との距離感

私は沖縄でカウンセリング業を営んでいるPlusOneLifeのカウンセラーです。今回のテーマは「期待は裏切られる」についてお話ししてみたいと思います。人生にはさまざまな瞬間があり、時には期待が裏切られることもありますが、その中にこそ深い学びと成長のチャンスが隠れていることを、心理学の観点から考えてみましょう。

私たちは日常生活で様々な期待を抱いて生きています。期待すること自体は悪いことではありません。むしろ、期待は未来に対する希望や目標を持つことを意味し、前向きな気持ちを醸成してくれます。しかし、時にはその期待が裏切られる瞬間がやってきます。大学入試で思い描いていた結果が得られなかったり、大切な人との関係が思い通りに進まなかったりすることもあるでしょう。そんな時、私たちはどのように受け入れ、向き合っていけば良いのでしょうか。

まず自分が誰かの期待に沿えなかったときを考えてみましょう。大切なのは、その瞬間に自分自身を許すことです。期待に応えられないと、自己評価が低下してしまいがちです。しかし、自分を責めることは必要ありません。人間関係や状況は複雑で、全てをコントロールすることは難しいからです。自分を責めずに、その瞬間を受け入れ、自分自身を労わることが大切です。期待に応えられなかったことを悔やむのではなく、今後の成長につなげるための一歩と捉えてみましょう。

また、相手の権利を認めることも大切です。期待が裏切られることで、相手に対して怒りや不満を感じることもあるかもしれません。しかし、相手もまた人間であり、限られた状況や考え方から行動していることを理解することが大切です。相手の立場や気持ちを想像し、尊重する姿勢を持つことで、関係はこれまでより健全な方向に向かうでしょう。

「自分らしさ」も忘れてはいけません。期待に応えるために、自分を犠牲にすることは避けるべきです。自分が本当に望む道や目標に向かって努力し、自分らしさを大切にすることが成長への鍵です。期待に囚われず、自分の内なる声に耳を傾けながら進んでいきましょう。

さて、期待が裏切られる瞬間は辛いものですが、その先には新たな可能性が広がっています。心理学的に言えば、このような挫折や失望の瞬間こそが成長の機会となるのです。私たちは自分の弱点や課題を見つめ直し、改善するための努力を重ねることで、より強く、より成熟した人間へと成長していくのです。

最後に、期待が裏切られる瞬間を恐れずに受け入れる勇気を持ちましょう。その瞬間が私たちにもたらす学びや成長は計り知れません。自分自身を認め、相手を尊重しつつ、自分らしさを大切にしながら、未来へと前進していく道を歩んでいきましょう。

自分は他の人の期待を満たすために生きているのではないという権利を認めるのであれば、他の人にもそれと同じ権利を認めなければなりません。他の人は私の期待を満たすために生きているわけではないのです。

「アドラー心理学入門」著:岸見 一郎 
管理者

阿賀嶺壮志(アカミネタケシ)1983年沖縄生まれ。
教育学部卒業後に小学校教師となるが、先生同士の対人関係で悩み教員を離れる。その後大学などで学び、作業療法士、公認心理師となり沖縄県内の精神科クリニック及び小中学校のスクールカウンセラーに勤務。2019年より心理学講師(ウェルカルチャースクール/男女共同参画センターてぃるる)2021年に絵本『さばくと少年』を出版。同年コザ信金創業セミナーにてベストビジネスプランナーに選ばれる。

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