精神:『うつ病』闇からの一歩

私は沖縄でカウンセリング業を営むPlusOneLifeの一員です。今回のテーマは「うつ病」。私たちが心理学の視点から、うつ病について理解し、向き合うための情報をお伝えします。人生のなかでうつ状態に陥ることは誰にも起こりうることです。健康なうちにその対処について知っておくことは自分自身やあなたの周囲で悩んでいる人に理解を示すうえでも大切なことといえます。

闇の中の感情:絶望と焦燥感

うつ病は、闇の中に取り込まれるような感情をもたらします。絶望や無気力、喜びを感じることが難しい状態。そして焦燥感や過度の不安。これらの感情が押し寄せてくることで、日常生活が困難になるのです。心理学的に言えば、うつ病は「気分障害」の一つであり、化学的な脳のバランスや心理的要因が影響を与える状態です。これはただの一時的な「悲しい気分」ではなく、病気としての側面を持っています。病気の側面ということは、放置することで更に悪化してしまう恐れを意味します。しかし、病気について理解し、適切なサポートを受けることで、うつ病から抜け出す道が開かれるのです。

言葉にするということ

闇の中にいるときこそ、それが長期間続く場合は専門家の支援を受けることを検討しましょう。カウンセリングは、うつ病を克服するための一つの手段として非常に有益です。

また、周囲の人々、家族や友人に自分の気持ちや状態を伝えることで、理解とサポートを受けることができます。人に伝えることに抵抗を感じるかと思います。しかしうつは社会的な病であり、あなた自身の問題ということはないのです。正直でまっすぐなあなたを社会は守る責任があります。共感的なコミュニケーションが、あなたの闇から抜け出す手助けとなるのです。まずは信頼のおける一人に打ち明けて欲しいと思います。打ち明けられそうな人がいなければ、ぜひ公的な窓口を利用してください。

小さな一歩が大きな変化をもたらす

闇の中にいると、未来に希望が待っているとは思えないかもしれません。しかし、小さな一歩を踏み出すことが、大きな変化をもたらすキッカケとなります。

心理学的に言えば、行動療法はうつ病の治療に効果的なアプローチです。自分を動かし、少しずつ日常生活に取り組むことで、気分や心理状態が改善されることがあります。例えば、とりあえず外に出る、一時的にでも趣味に取り組む、誰かと過ごすなど。これらの小さな行動が、闇の中から這い出るための力となります。そのどれもがおっくうに感じるかもしれませんが、感情を入れずに行うだけでも良いのです。こころは後からついてきます。

光を見つける支援を受けて

闇の中にいるときに、一人で苦しまずに支援を受けることが重要です。私たちのPlusOneLifeでも、うつ病に関するサポートを行っています。あなたの闇から抜け出し、光を見つけるお手伝いをさせていただきたいと考えています。絶望や焦燥感の中から一歩踏み出すことは、あなたの勇気と意志の表れです。一歩ずつ前進しましょう。

この病気の不思議で怖いことは、なぜだか本当に死にたくなってしまうところだ。僕自身そうしたことを元気な頃から知識としては知っていた。でも、実際に自分がそのような気分にはまると、予想とはまったくちがった。それが日常となって持続していた時期は、今、思い出しても一番つらかった。

「ツレがうつになりまして。」著:細川 貂々
管理者

阿賀嶺壮志(アカミネタケシ)1983年沖縄生まれ。
教育学部卒業後に小学校教師となるが、先生同士の対人関係で悩み教員を離れる。その後大学などで学び、作業療法士、公認心理師となり沖縄県内の精神科クリニック及び小中学校のスクールカウンセラーに勤務。2019年より心理学講師(ウェルカルチャースクール/男女共同参画センターてぃるる)2021年に絵本『さばくと少年』を出版。同年コザ信金創業セミナーにてベストビジネスプランナーに選ばれる。

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