こんにちはPlusOneLifeです。沖縄でトラウマ専門のカウンセリング業を営んでいます。
今回のテーマは、「自己啓発本」について考えてみたいと思います。多くの人々が日々の生活や成長に向けて自己啓発本を手に取り、期待を寄せています。自己啓発本を読むことで成功が得られるのなら、自己啓発本の新刊が次から次へと出ている日本では成功者が増加しているはずです。しかし現実はそうなっていない。あえて乱暴な言い方をすると「自己啓発本は意味がない」といえます。賛否両論あると思いますが、心理学の立場から以下の点をお伝えします。
代わり映えしない“次の一冊”
書店の棚を見ると、自己啓発本は数多くの種類が並んでいます。成功法則、幸福の秘訣、成果を最大化する方法など、魅力的なタイトルが並ぶことでしょう。しかし、本当にその本が求めているものを提供してくれるでしょうか?
自己啓発本の一冊が終わると、次の新刊を手に取ることが多いですよね。なぜなら、過去の本では十分な成果を上げられなかったから。しかし、これが問題です。新しい本に期待をかける一方で、過去の本はどうでしょう?結局、代わり映えしないパターンが続いているのです。
期待とプラシーボ効果
なぜ自己啓発本に対して多くの期待を抱くのでしょうか?それは、自分自身の成長や変化を望む気持ちからくるものです。その成長欲求や現状からの脱却を願う気持ちや行動力は大切です。
しかしながら、その期待感が大きすぎると、逆にプラシーボ効果が働いてしまうこともあります。
プラシーボ効果とは、実際には効果のない治療や薬が、患者の信念や期待によって効果を示す現象です。自己啓発本も同じようなメカニズムが働くことがあります。期待感が高すぎるため、少しばかりの成果や変化を実感し、本当に効果があるかどうか見極めることが難しくなってしまうのです。
本を読み終えたときに感じたやる気や気迫が数日経つと薄れてしまうのはプラシーボ効果が働いたといえます。プラシーボ効果にもメリットがあり、うまく活用することで持続的な行動化へとつながる場合もあるでしょう。
自己啓発の本質
ここで大切なのは、「自己啓発」という行為の本質を見失わないことです。自己啓発は、外部からの刺激や情報に頼るのではなく、自己の内面に向き合い、成長を促すプロセスです。本当の成長や変化は、自己の内なる意識や行動の変容から始まります。
自己啓発本が提供する情報やツールは、あくまで手段であり、目的ではありません。自己の内面に深く問いかけ、向き合い、行動を変えることこそが、本当の意味での自己啓発です。本を読むことがきっかけであれば良いですが、その先に自己探求と実践を続ける姿勢が大切です。
まとめ
自己啓発本に頼ることは悪いことではありませんが、その本質を見極めることが重要です。新しい本に期待する前に、過去の本や自分自身と向き合い、本当に必要な成長や変化を探求する姿勢を持ちましょう。自己啓発は、本から得る情報だけではなく、自分との対話や行動の変化を通じて成り立つものであり、それこそが真の意味での成長です。
成長したい、成功したいという欲求は人として大切なものです。その気持ちがその人の中にあるということは、それだけで意味のあるものだと思います。さらにそれを行動に移すことで、ぼやけていた理想の将来像に輪郭が現れます。何のために成長したいのか、成長した先に何が得られるのかを具体的に思い描き、動機づけを高めることが重要です。共に成長していきましょう!
書店の「自己啓発本」コーナーの棚に並べられている本のTitleをあらためて眺めてみると壮観だった。「できる男の法則」「金持ちがやっている習慣」「○○する人は成功する」というようなTitle本がやたらと多いことだ。要するに、成功者が常日頃やっていることを真似れば、君も成功者になれるよと言っている本だ。
そんなことで成功するなら、こんな楽なことはない。最近は新書も「○○する力」というTitleの本がよく売れるという。それを読めば、自分にも「○○する能力」がすぐに身につくと思うのだろう。
「そう。表現を変えているだけで、中身はだいたい同じ」
要するに、自己啓発本コレクターは、毛生え薬をはしごするハゲと同じなのだ。
Title:「大方言」 著:百田尚樹
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