トラウマ反応チェックリスト|PTSD・フラッシュバック・回避・過覚醒のセルフチェック

トラウマ反応チェックリスト|「なんだかつらい」を整える第一歩

つらい出来事のあと、心や体にいろいろな変化が起きるのは、めずらしいことではありません。
それは、心身が一生懸命あなたを守ろうとしてきた反応の一部かもしれません。

このページは、つらい体験のあとに起こりやすい心や体の反応を、ご自身が少し理解しやすくなるようにまとめたものです。医療的な診断をするものではありませんが、「今の自分はどんな状態かな」をそっと確かめて、必要なときに安心できる相談先につながるための目安としてお使いください。


📋チェック方法

過去1か月くらいをふり返って、当てはまるものにチェックを入れてください。
途中で苦しくなったら、いったん画面を閉じても大丈夫です。チェックは「頑張って全部やるもの」ではなく、あなたの負担が増えない範囲で十分です。

  • 過去1か月に経験したものにチェック
  • 各カテゴリーごとに「はい」の数を数える
  • 数だけで判断せず、日常生活への影響(睡眠・仕事/学業・対人関係)も一緒に見ていく

※このチェックリストは自己診断ではありません。必要に応じて、専門家へ相談するための判断材料としてご利用ください。

Ⅰ. 再体験症状(侵入症状)

過去のつらい出来事が、意図せずよみがえる反応です。
□ つらい出来事の記憶が、自分の意志とは関係なく突然よみがえる(フラッシュバック)
□ その出来事に関する悪夢を繰り返し見る
□ 出来事を思い出すと、強い心理的苦痛を感じる
□ 出来事を思い出すと、動悸、発汗、震えなどの身体反応が起こる
□ 出来事が再び起こっているかのように感じたり、行動したりする
□ 出来事に関連する場所、人、物を見ると強い不安や恐怖を感じる

このカテゴリーの「はい」の数:____個

Ⅱ. 回避症状

思い出させるものを避けようとする反応です。
□ その出来事について考えたり話したりすることを避ける
□ 出来事を思い出させる人、場所、活動、物を避ける
□ 出来事の重要な部分を思い出せない
□ ニュースや映像など、出来事を連想させるものを見ないようにしている
□ 特定の話題や状況を意図的に避けている

このカテゴリーの「はい」の数:____個

Ⅲ. 認知と気分の陰性変化

考え方や感情が否定的な方向に傾きやすくなる反応です。
□ 将来に対して悲観的で、良いことが起こるとは思えない
□ 自分や他人、世界に対して否定的な考えを持つようになった
□ 出来事について、自分や他人を不当に責める
□ 恐怖、怒り、罪悪感、恥などの否定的な感情が続いている
□ 以前は楽しめた活動に興味や関心がなくなった
□ 他人から疎遠になった、孤立していると感じる
□ 喜びや愛情などの肯定的な感情を感じにくくなった
□ 自分は価値がないと感じる(自尊心の低下)
□ 慢性的な虚しさや絶望感がある

このカテゴリーの「はい」の数:____個

Ⅳ. 覚醒度と反応性の変化

常に緊張していたり、過敏になったりする反応です。
□ イライラしやすい、怒りっぽくなった
□ 些細なことで攻撃的になったり、暴言を吐いたりする
□ 無謀な行動や自己破壊的な行動をとる
□ 常に警戒していて、危険を感じやすい(過度の警戒心)
□ 些細な音や刺激に過剰に驚く(驚愕反応の亢進)
□ 集中できない、物事に注意を向けられない
□ 寝付けない、途中で目が覚める、眠りが浅いなどの睡眠障害がある

このカテゴリーの「はい」の数:____個

Ⅴ. 身体症状

トラウマ関連の影響が、体の不調として出ることもあります。
□ 頭痛が頻繁にある
□ 胃痛、腹痛、消化不良などの消化器症状がある
□ 食欲不振、または過食がある
□ 慢性的な疲労感、だるさがある
□ めまいやふらつきを感じる
□ 筋肉の緊張や痛みがある
□ 原因不明の身体的な痛みがある

このカテゴリーの「はい」の数:____個

Ⅵ. 対人関係・感情調整の困難(複雑性PTSDに関連)

長期的・反復的なトラウマのあとに見られやすい反応として、感情の調整や対人関係の難しさが前に出ることがあります。
□ 他人を信頼することが難しい
□ 親密な関係を築くことが怖い、または避けたい
□ 人との関係で常に緊張している
□ 感情のコントロールが難しく、突然泣いたり怒ったりする
□ 感情が麻痺していて、何も感じないことがある
□ 自分が何者なのかわからない(アイデンティティの混乱)
□ 人から見捨てられるのではないかと不安になる

このカテゴリーの「はい」の数:____個

Ⅶ. 子どもに特有の反応(18歳未満の場合)

子どもは言葉よりも、行動や身体反応に出ることがあります。
□ 赤ちゃん返り(おねしょ、指しゃぶりなど)
□ 親や養育者から離れることを極度に嫌がる(分離不安)
□ 遊びの中でトラウマ体験を繰り返し再現する
□ 学校の成績が急に落ちた
□ 友達と遊ばなくなった
□ 反抗的な態度や問題行動が増えた

このカテゴリーの「はい」の数:____個

📌合計の「はい」の数(目安)

  • 0〜5個:現時点では専門的評価の必要性は低い可能性
  • 6〜10個:軽度の反応がある可能性。セルフケアを意識し、続くなら相談も検討
  • 11〜15個:中等度の反応がある可能性。専門家への相談をおすすめ
  • 16個以上:強い反応がある可能性。できるだけ早めに相談先へ

※数が少なくてもつらい、数が多くても生活が回っているなど個人差があります。あなたの感覚をいちばん大切にしてください。


📊結果の目安(“数”よりも大事な見方)

チェックの合計数は、今の状態を「全体として」そっと見渡すのに役立ちます。
でも、いちばん大切にしたいのは、つらさがどれくらい続いているか、そして 毎日の生活(睡眠・仕事や学業・人間関係など)がどれくらいしんどくなっているか です。
PTSDに関する情報でも、症状だけでなく生活への影響をあわせて見ていくことが大切だとされています。

❤️‍🩹特に注意したいサイン(早めに相談していいサイン)

もし以下のどれかが当てはまるなら、ひとりで抱えず、早めにつながってください。

  • 自分や他人を傷つける考えや行動がある
  • 仕事・学業・家事・人間関係など、生活に大きな支障が出ている
  • 症状が1か月以上続いている
  • アルコールや薬物に頼らざるを得ない状態がある

つらさが強いときは、「もう少し頑張ってから相談しよう」と無理をしなくて大丈夫です。
むしろ「相談しながら、少しずつ整えていく」くらいで十分です。

※本記事はPTSDの代表的な症状クラスター(再体験・回避・認知と気分の陰性変化・過覚醒)や、ICD-11における複雑性PTSDの整理など、公的機関・診断基準に基づく情報を参考に作成しています。

🌱次のステップ(セルフケアは“少しずつ”でOK)

セルフケアは、たくさんやるほど良いわけではありません。
心が疲れているときは「できることを増やす」より、「負担を減らす」ほうが回復につながることがあります。

たとえば、今日できそうなものを一つだけ選ぶなら——

  • 寝る前にスマホを見る時間を少しだけ短くする
  • 呼吸をゆっくり3回だけする
  • 信頼できる人に「最近ちょっとしんどい」と一言だけ伝える
  • 5分だけ外の空気を吸う
  • 足の裏を床に感じて、ゆっくり体重をのせる(10秒だけ)
  • 好きな香りをひとつ使う(ハンドクリーム・アロマなど)
  • 寝る前に「今日できたこと」を1つだけ書く(小さなことでOK)

どれも、できるときに、できる分だけで大丈夫です。
「全部やる」より、「一つだけ」を選べたら十分なセルフケアになります。

💡最後に

チェックをしながら、「こんなに当てはまるんだ…」と驚いた方もいるかもしれません。
でも、当てはまる項目があることは、あなたがこれまで苦しい中でも、どうにかやってきた証でもあります。

もし、このチェックをしながら「少し苦しくなった」「当てはまるものが多くて不安になった」と感じた方は、どうかひとりで抱え込まないでください。トラウマ反応は、心と体があなたを守ろうとしてきた“自然な反応”で、適切な支えがあることで落ち着いていくことも多いとされています。

一般社団法人プラスワンライフでは、公認心理師として、安心・安全を最優先にしながら、現在の生活が少しでも楽になる方向へ「心理的ケア(支援)」を行っています。無理に出来事を詳しく話す必要はありません。まずは、睡眠・不安・緊張・対人関係など、今いちばん困っているところから一緒に整理していきます。

🗨️相談先の目安(安心できるところから)

  • 精神科・心療内科:睡眠や食欲が大きく崩れている/症状が強い/医療的サポートが必要そう
  • 公認心理師・臨床心理士:気持ちの整理、トラウマへの心理的ケア、日常に戻る力を整える
  • 地域の精神保健福祉センター等:地域の相談窓口・情報提供

「どこが正解か」よりも、「ここなら話せそう」が大切です。
相談してみようかな、と思えたタイミングが十分なタイミングです。あなたのペースを大切にしながら、回復への道を一緒に整えていけたらと思います。

いま緊急に話したいときの窓口(日本)

もし今、とても苦しくて一人では持ちこたえにくいときは、すぐにつながれる窓口もあります。

  • #いのちSOS:0120-061-338(24時間365日)
  • よりそいホットライン:0120-279-338
  • こころの健康相談統一ダイヤル(一覧ページから確認できます)

❓よくある質問(FAQ)

Q
このチェックリストで「PTSDかどうか」分かりますか?
A

ここで分かるのは、あくまで自己理解のヒントです。PTSDなどは、症状のまとまりだけでなく、期間(たとえば1か月以上)や生活への支障なども含めて専門的に評価されます。
ただ、チェックを通して「これが今のしんどさの理由かもしれない」と少し言葉にできるだけでも、心が少し落ち着くことがあります。

Q
チェックしていたら苦しくなりました。どうしたらいいですか?
A

いったん閉じて大丈夫です。苦しくなるのは、体が“守る反応”を起こしている可能性があります。
今できる範囲で、①深呼吸をゆっくり3回、②手のひらや足裏に意識を向ける、③温かい飲み物を一口、など「今ここ」に戻る行動をひとつだけやってみてください。落ち着いてから、必要ならまた少しだけ再開すれば十分です。

Q
どのくらい続いたら相談した方がいいですか?
A

目安としては、つらさが2〜4週間ほど続くとき、または期間に関わらず 生活に支障が出ているときは、相談を考えてみてください。

たとえば、こんな状態が続くなら十分「相談していいサイン」です。

  • 眠れない/悪夢が続く
  • フラッシュバックや強い不安で日中がつらい
  • 仕事・学業に集中できない、ミスが増える
  • 人と会うのが怖くなり、避けることが増えた
  • イライラや緊張が抜けず、休めない
  • 体の不調(胃痛・頭痛・だるさなど)が続く

「まだ我慢できるけど、しんどい」「このまま続くのが怖い」——その時点で、相談する理由として十分です。

Q
「数が少ない」のに、とてもつらいです。相談してもいいですか?
A

もちろんです。チェックの数は参考にはなりますが、つらさは人によって出方が違います。
“数”よりも、あなたが感じている“しんどさ”の方が大切です。遠慮なく相談のきっかけにしてください。

Q
子ども(思春期)の場合、どこを見てあげるといいですか?
A

子どもは言葉よりも、行動や身体に出やすいことがあります。
「急に眠れなくなった」「学校のことを避ける」「怒りっぽい」「甘えが増えた」など、“いつもと違う”が続く。思春期は「大丈夫」と言いながら苦しさを抱えることもあります。なので、問い詰めるよりも、短くやさしくが安心につながります。

「無理に説明しなくて大丈夫。味方だよ」「最近ちょっとしんどそうに見えるけど、合ってる?」「話したくなったらでいいよ。いつでも聞くよ」など声掛けしてみてください。

Q
相談するとき、つらい出来事を詳しく話さないといけませんか?
A

必ずしも話す必要はありません。まずは「今の困りごと(眠れない・不安・緊張・人が怖い等)」からで十分です。
話す準備が整うまでは、無理に触れない進め方もあります。安全が最優先です。

Q
すぐに受診した方がいいサインはありますか?
A

次のような場合は、早めにつながってください。
自分や他人を傷つける考えが強い/生活が回らないほど消耗している/アルコールや薬に頼らざるを得ない。PTSDでは関連する問題が一緒に起きることもあるため、早めの支援が大切です。

管理者

阿賀嶺 壮志(あかみね たけし)
1983年、沖縄生まれ
一般社団法人プラスワンライフ代表理事:公認心理師

精神科クリニックや学校現場で、15年にわたり心理支援・カウンセリングに携わってきた信頼と実績のあるカウンセラー。
幼少期の病弱さと孤独な経験から「ありのままの自分を受け止めてくれる存在」の大切さを深く実感し心理の道を志す原点となる。
教員時代の挫折や、言葉を超えた児童との心のつながりを通して、トラウマ支援への使命感を強めていった。

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