本当に行いは自分に返ってくるのか?ブーメラン効果の検証

沖縄カウンセラーのアカミネです。今回はテーマとして「行いは自分に返ってくる?」について。少しドキッとするテーマです(笑)

人生はしばしば驚くべき出来事や縁に満ちていますが、その中でも行いに応じて結果が返ってくる「ブーメランの法則」は聞いたことがあるのではないでしょうか。これは、日本の故事「因果応報」や「自業自得」とも表現されます。心理学の観点からも興味深く、私たちの行動と心理の関係を考える上で重要な視点と言えるでしょう。

ちなみに心理学の「ブーメラン効果」とは、相手を一生懸命に説得すればするほど、相手の反発を受けて逆効果となって返ってくることを言います。イソップ寓話の「北風と太陽」の「北風」ですが、今回はそれとは違います。

人生は、私たちが選択し行動することで成り立っています。何気ない日常の中での小さな選択から、重要な人生の決断まで、私たちの行動はその後の出来事や状況に影響を与えます。ここで因果応報が関わってきます。良い行いや善意が、いつかは良い結果として自分に返ってくるという考え方です。

言葉や行動が人々との関係性に与える影響は計り知れません。優しさや思いやりの言葉が相手の心に届くことで、その人との関係が深まります。そして、その関係が帳尻が合う形で未来の出来事や感情に影響を与えることがあるのです。逆に、冷たい言葉や嫌な態度も、その結果が自分に返ってくる可能性があることを忘れてはなりません。

因果応報の考え方は、私たちの自己成長にも関連しています。自分自身をより良い方向に導くために、善意や努力をもって行動することは、自分に返ってくる形でポジティブな結果をもたらすことがあります。自分自身を取り巻く環境や人々との関係性も、自己の行動によって形成されていくと言えるでしょう。

しかし、因果応報には単純な一因一果の関係ではなく、複雑な要因や偶発的な出来事も影響を与えます。また、すべての悪いことが必ずしも悪い結果をもたらすわけではありません。この辺りが、因果応報の理論を解釈する上での注意点です。

心理学の観点からも因果応報は興味深いテーマです。私たちの行動は、遺伝子や環境、個人の特性など、さまざまな要因に影響を受けています。そして、その行動が次第にパターン化され、自分に返ってくる結果が形成されていくのです。

このパターン化された行動は、ほとんど無意識のうちに形成されます。そして一度形成されたパターンは脳内の神経回路として刻み込まれ、幾度も使われます。車の運転なども、何度も脳内の回路で多く使われた結果、車の操作が自動化されるようになります。何度も何度も使う回路に意識を集中させエネルギーを消費するのを防いでいます。

さて、因果応報の考え方は私たちに自己責任を持つ姿勢を促すこともあります。過去の行動や選択が現在の状況や感情に影響を与えているなら、未来に向けてより良い行動や選択をすることで、帳尻が合うような結果を創り出せるかもしれません。このことは、自己成長やポジティブな変容を促進する一助となるでしょう。

因果応報の考え方を通じて、私たちは自分の行動と結果の関係を考え、自己成長を促進することができます。もしも自動化された行動パターンによって、不適切な結果を招くことが増えてきたなら、その行動パターンを変える必要があります。その代表的な心理療法が「認知行動療法」と呼ばれるものです。

未来の選択をより良くするために、自分の行動を振り返る時間を持つことが大切です。また、因果応報の法則が私たちの人生にどのような影響を与えるのか考えてみるのも面白いかもしれません。

人生というのは、1人の人間において「自己完結」するものです。

「100%幸せな1%の人々」著:小林正観

管理者

阿賀嶺壮志(アカミネタケシ)1983年沖縄生まれ。
教育学部卒業後に小学校教師となるが、先生同士の対人関係で悩み教員を離れる。その後大学などで学び、作業療法士、公認心理師となり沖縄県内の精神科クリニック及び小中学校のスクールカウンセラーに勤務。2019年より心理学講師(ウェルカルチャースクール/男女共同参画センターてぃるる)2021年に絵本『さばくと少年』を出版。同年コザ信金創業セミナーにてベストビジネスプランナーに選ばれる。

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