
「どうして私ばかり…」
「何もかもうまくいかな」
そんなふうに感じる時、人は「外にいる誰か」に助けを求めようとします。
そしてそれは、人としてとても自然で大切な反応です。
でも、カウンセリングの現場で多くの方と出会ってきた中で、実感していることがあります。
それは――
あなたの心こそが、あなたを癒す医師であるということです。
🧭 「治す」ことは外側からではなく、内側から始まる
医学的にも、心の回復には“自己治癒力”が深く関わっています。
人には、身体だけでなく「心にも回復しようとする力」が備わっています。
たとえば、トラウマを経験した方は、当時の出来事を思い出すだけで心拍数が上がったり、身体が固まったりすることがあります。
この反応は「もう二度と同じ苦しみを味わいたくない」という心の防衛反応(生存反応)です。
それは弱さではなく、あなたを守るための反応です。
この反応が少しずつ緩み、安全を感じられるようになったとき――心は自然と“回復の方向”へと動き出します。
カウンセラーの役割は「癒しを取り戻すサポート」
「心があなたを癒す」といっても、ひとりで抱え込む必要はありません。
トラウマによって心が傷ついたとき、その力は見えなくなってしまうことがあります。
でも、なくなってしまうわけではありません。
あなたの心に「安心して回復できる空間」をつくること。
カウンセラーは、その空間の中で、あなたが自分自身の力を思い出していけるように伴走する存在です。
外から「直す」のではなく、あなたの内側から「癒しが自然に起こる」プロセスを支えます。
🌱 心の中にある「自然治癒力」を信じてみる
どんなにつらい状況の中にも、あなたの中には癒しへと向かう力が、確かに息づいているということ。あなたの中にある“その力”にもう一度光を当てること。
途中で疲れたら、立ち止まって深呼吸をしてみてください。
そうしていくうちに、あなたの中にある回復しようとする力が少しずつ、確かに働き始めます。
それは、どんなに傷ついた心にも必ず残っている力です。
焦らずに、優しく、そのプロセスを一緒に信じましょう。
本当の意味であなたを癒していくのは、ほかの誰でもなく、あなた自身の心なのです。
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