
みなさんは「内観療法(ないかんりょうほう)」をご存じでしょうか。
これは日本で生まれた心理療法で、静かに自分の心を見つめ直し、人との関係を深く理解していく方法です。
戦後の混乱期に吉本伊信氏によって体系化され、現在では医療・教育・福祉・企業研修など、幅広い分野で活用されています。欧米の心理療法にも大きな影響を与えており、日本発の心理療法として国際的にも注目されています。
🪞 内観療法の基本 ― 3つの問い
内観療法では、主に次の3つの問いを軸に、自分の人生を振り返ります。
- してもらったこと
- して返したこと
- 迷惑をかけたこと
この3つの視点から、自分と両親・家族・友人・職場の人々などとの関わりを見つめていきます。
すると、不思議なことに「感謝」や「気づき」が自然と湧き上がってくるのです。
普段は気づかない小さな優しさや支えに改めて出会い、心がほどけていく瞬間を多くの人が体験します。
親から何かしてもらうのは「当たり前」だと思っているから、わざわざ「してもらったこと」を思い出すのは不思議な感覚でした。(笑)
📚 科学的根拠と効果
研究によると、内観療法は以下の効果が報告されています。
- うつ症状や不安の軽減(精神科臨床での活用実績あり)
- 自己肯定感の向上(自分を責めるだけでなく、支えられてきた面に気づける)
- 人間関係の改善(「ありがとう」と「ごめんなさい」が自然に生まれる)
- 依存症や非行の回復支援(矯正施設や依存症回復プログラムで導入)
内観療法は単なる自己反省ではなく、「人との関係を再発見する心理療法」と言えます。
💡 集中内観と日常内観
内観療法には、大きく分けて 「集中内観」 と 「日常内観」 の2つの形があります。
🔹 集中内観

1週間ほど宿泊施設に滞在し、朝から晩まで内観を続ける方法です。
- 方法:1週間(通常6泊7日)、朝から夜まで、屏風などで仕切られた小さなスペースにこもり、「してもらったこと」「して返したこと」「迷惑をかけたこと」の3項目について、自分と関係の深い相手(母親、父親、相棒など)ごとに年代順で具体的に回想します。
- 環境:一切の雑音や電子機器、雑誌などを排除し、日常生活から完全に割り切られた静かな空間で集中的に実践します。1~2時間ごとに面接者と短く話し、それ以外は静かに内観を続けます。
- 目的:過去的な人間関係や自分の行為を深く考えることで自己認識を確立し、精神成長や悩みの解消を図ります。対人関係の悩みや依存症、心の病を持つ人、またカウンセラーや教育者の自己啓発などにも広く活用されています。
集中して取り組むからこそ、これまでの人生を体系的に振り返り、「自分の歩みを整理する体験」が可能になります。
🔹 日常内観

日常内観は、特別な場所や長期の時間がなくても取り組めるため、多くの人にとって実践しやすい方法です。
🌱 内観療法はこんな方におすすめ
- 自分に自信が持てない
- 過去の人間関係にわだかまりがある
- 家族やパートナーとの関係を見直したい
- 心を整理して新しい一歩を踏み出したい
内観療法は「自分を責めるため」ではなく「見えなかった愛に気づき、感謝と和解を見出す」ための方法です。
静かに心を見つめることで、あなたの中に眠っている優しさや強さが必ず見えてきます。
もし、心の整理をしたいと感じている方がいれば内観療法はその大きな助けになるでしょう🌿
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