「『自業自得』って本当にそう?責任と優しさのはざまで考える」

自分を責めすぎないために考える、『自業自得』の意味

「自業自得」という言葉は、私たちの日常の中でよく耳にします。失敗やトラブルが起きた時に、「それは自分の行いの結果だ」と言われることも多く、時に厳しい響きを持っています。

📣『自業自得』が持つ強い意味とその注意点

そもそも、自分の行いに対して責任を持つということ自体は必要です。私自身も無責任な態度を苦手に感じることが多く、責任を持つことは信頼関係を築き、成長につながる大切な要素だと考えています。

例えば、仕事でミスをしたときに「自分の不注意だった」と認め、改善策を考えることは大切です。そうした姿勢が周囲からの信頼を得ることにつながります。

しかし、問題は「自業自得」という言葉をすべての苦しみや問題を自己責任に押し付けるためだけに使うことです。これが過剰になると、世の中が冷たく殺伐とした場所になってしまう恐れがあります。

💬「自業自得」の裏にあるもの

人の行動や結果は、単に「自分が悪いから」「自分の責任だから」と割り切れないことが多いものです。

例えば、ある人が職場の人間関係で苦しんでいるとします。一見、「自分のコミュニケーションが悪いからだ」と思われがちですが、実際は過去のトラウマや環境の問題、上司のパワハラなど外的な要因が絡んでいることも多いです。

心理学の視点では、過度な自己責任の強調は、ストレスや自己否定を深め、心の健康を損ねる原因にもなります。特にトラウマや精神的な問題を抱える方にとっては、自分を責めすぎることが回復を妨げることもあります。

🌱「自分のせいではない」と知ることの重要性

ここで大切なのは、「こんなに苦しいのは自分のせいではない」と理解できることが、まるで解毒剤のように心を軽くするという点です。

例えば、過去に理不尽な環境で育った人が「自分のせいではなく環境の影響だった」と気づくことで、自分を責め続ける苦しみから少しずつ解放され、生きる足場を取り戻すことができます。

🤝HSP(Highly Sensitive Person)という視点

最近では、HSP(非常に繊細な人)という概念も注目されています。例えば、日常の些細な刺激や人の感情に過敏に反応しやすい人がいます。以前なら「弱い」「神経質」と片付けられていたかもしれませんが、HSPという言葉で自分の特性を理解し、生きやすくなった人もいます。

もちろん学術的にはまだ議論がありますが、「これは自分の個性の一部」と認められることは、自己肯定感の向上につながる重要な変化です。

だからこそ、「自業自得」という言葉を使う時は、その強さと同時に限界を理解し、単なる自己責任論に陥らないように心がけたいものです。

責任を持つことと、困ったときには助けを求めることは両立できます。社会や職場でも、その両面を大切にする支援が必要です。


もし「自業自得」という言葉に冷たさを感じたことがあるなら、それはあなただけではありません。優しさや共感が根付く社会を一緒に目指していきましょう。

管理者

阿賀嶺壮志(アカミネタケシ)1983年沖縄生まれ。
一般社団法人プラスワンライフ代表理事・公認心理師。精神科クリニックと学校現場において10年以上にわたる心理支援・カウンセリング経験を重ねてきた信頼のカウンセラー。幼少期の病弱で孤独な体験から「ありのままの自分を受け止めてくれる存在」の大切さを深く実感し、心理の道を歩む原点に。教員時代の挫折と児童との思いがけないつながりも、トラウマ支援への志へとつながっています。
2019年に「トラウマ治療専門カウンセリングルーム」を開設。統合的な心理療法と自然療法を組み合わせ、「元以上の状態へ」導く支援を理念としています。2021年には絵本『さばくと少年』を出版し、沖縄県内すべての小学校に配布されるなど、教育への貢献も続けています

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